そんな私自身がそうですが、子どもをほめる際「あまりほめすぎると調子に乗るんじゃないか」「甘やかしてしまうんじゃないか」と懸念する親御さん、結構いらっしゃるのではないでしょうか。しかし、イェール大学で心理学と児童精神医学のスターリング・プロフェッサーを務めるアラン・E.カズディン教授は、「いくらほめても子どもを甘やかすことにはならない」と言い切ります。ただ、とにかくほめまくればいいという訳でもなく、教授によると次のようなほめ方はよろしくない、むしろ逆効果になってしまうそうです。
【NGなほめ方】
1、時間が経ってからほめる(そういえば昨日のあれは偉かったね~とほめられても、特に低年齢の子の心には響かない)
2、愛情に結び付けてほめる(□□できるあなたはいい子ね、□□してくれてお母さん嬉しい、あなたが大好き、のようなほめ方。□□しないと愛されない、と子どもが思い込んでしまう。□□しようがしまいが親は子どもを愛している、というメッセージを常に発する必要がある)
3、余計なひと言を付け足す(すごいね~いつもこうだったらいいのに、などと言ってしまうとせっかくのほめ言葉が台無しになる)
その他にも、「結果ばかりほめていると、どんな手段を使っても結果さえよければOKと考えるようになってしまう。結果ではなく過程をほめよう」という専門家もいます。「アメリカ人は人をよくほめる」のは本当ですが、とりわけ子どものほめ方に関しては、「ほめ方にもよしあしがある。戦略的にほめよう」という考え方が広まってきているのです。
今回は主にNGなほめ方をご紹介しましたが、では効果的なほめ方にはどんな種類があるのでしょうか。それはまた次回、詳しくお伝えさせてください。
※AERAオンライン限定記事
◯大井美紗子
おおい・みさこ/アメリカ在住ライター。1986年長野県生まれ。海外書き人クラブ会員。大阪大学文学部卒業後、出版社で育児書の編集者を務める。渡米を機に独立し、日経DUALやサライ.jp、ジュニアエラなどでアメリカの生活文化に関する記事を執筆している。2016年に第1子を日本で、19年に第2子をアメリカで出産。ツイッター:@misakohi