2011年から導入された「抗菌寿司カバー・鮮度くん」
2011年から導入された「抗菌寿司カバー・鮮度くん」
この記事の写真をすべて見る
レーンの上部にあるAIカメラ。お皿を取ったかどうかを確認できる
レーンの上部にあるAIカメラ。お皿を取ったかどうかを確認できる

 いきなり余談で恐縮ですが、年末から年初にかけて、13年ぶりに車を買い替えようと久しぶりに新車のディーラー巡りをしました。

【写真】「くら寿司」のレーン上部にあるAIカメラはこちら

 その時に驚いたのが、最近の車は、センサーやICT、そしてAIまでもをフルに活用して、安全運転支援や利便性が驚くほど向上していることでした。

 例えば、先行車両を感知して一定の車間距離を保って自動的に追尾するだけでなく、渋滞時には停止や再スタートまでも自動的にしてくれる機能をはじめ、高速道路などで、車線の中央をキープし、車線から逸脱しそうになると自動的にハンドルを戻してくれる機能、並列駐車はもちろん、苦手な人が多い縦列駐車も自動でハンドルやアクセル、ブレーキを操作して行ってくれる機能など、多くの車にこうした夢のような機能が搭載されていました。

 恥ずかしながら、13年前の筆者の車には、こうした機能は何も搭載されていませんでしたので、ドラえもんがポケットから出してきた道具に驚くのび太になったような気持ちでした。

 考えてみると、くら寿司のお店についても、13年前の2008年と今を比べると、ハード・ソフトの両面で、非常に大きな進化を遂げています。

 例えば、今ではくら寿司の代名詞ともいえる「抗菌寿司カバー・鮮度くん」も、11年の設置ですのでまだ設置されていませんでした。「ビッくらポン」は、00年に導入していましたが……。

 さらに、待合スペースの密を軽減できるとお客様にとても好評な10分単位で席の予約ができる「時間指定予約システム」(14年導入)もまだありませんでした。

 ソフト面では、今では回転寿司チェーンではサイドメニューとして当たり前となった「ラーメン」についても、2012年にくら寿司が回転寿司チェーンとして初めて発売したものです。

 そして最近では、AIシステムを搭載したカメラによって、お客さまがレーンから取ったお皿を自動的に認識、カウントする「セルフチェックシステム」や「セルフレジ」等によって、入店からお会計、退店まで、お客さまと店員が一度も接することなくお食事ができる、完全コンタクトレスの店舗を実現しています。

 さらに、今年末までには、国内のすべての店舗を、完全コンタクトレスに加えて、お客さまがお店の機器にも触る必要のない、完全タッチレスのお店にする予定です。

次のページ
ICT、AI技術が漁業の世界を変える