何かと比べられる東大と京大だが、歴代総理大臣には東大が16人、京大はわずか2人と大差がついている。では、法曹界はどうだろうか?

 まずは、総理、衆参両院議長と並ぶ三権の長「最高裁判所長官」は、歴代17人のうち、京大の3人に対して東大は14人と圧倒している。

 検察トップの検事総長も日本弁護士連合会(日弁連)の会長も東大が多い。ある京大法学部OBは、法曹界に東大出身者が多い理由をこう皮肉る。「司法試験を目指すなら、東大は断然有利です。東大生は実際に司法試験の問題を作っている先生の講義を聴けますからね。他大学の学生がこっそり東大の講義を聴講していたという話も、昔はよく聞きましたよ」。

 両大学の出身者に個性の違いはあるのだろうか。大手の法律事務所で働く弁護士(東大法)はこう話す。「新人弁護士を見ていると、東大卒は従順で素直な人が多いが、京大卒は自分なりのこだわりを持っている人が多いように感じます」。

 一方、元福岡高検検事長の坂井一郎氏(京大法)はこう振り返る。「組織の中でのし上がっていこう、というタイプは京大には少ないんじゃないかな。ひょうひょうとしているのが多い。司法試験の準備も、東大は法律サークルがあって、みんなで勉強していたそうだけど、京大では集まって勉強する姿はあまり見かけなかったね」。

 トップこそ東大が圧倒的に優勢だが、若手の活躍となると、近年、京大がめざましい。今年1月に発令された判事補採用者は東大22人に対し、京大は18人。卒業生数が7割ということで偏差をかけると、京大が逆転だ。検事任官者(昨年12月発令)も東大13人に対し京大は7人と大健闘。将来は各組織のトップをめぐる争いも熾烈になりそうだ。

週刊朝日 2013年4月5日号