「まっけん」の愛称で親しまれる新田真剣佑さんがAERAに登場。作品ごとに成長し飛躍を続ける新田さんが、単独初主演作となる映画「ブレイブ─群青戦記─」公開への思いを語った。AERA 2021年2月1日号から。
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大きくうねり、変化していく時代の、切っ先に立つ人だ。
アメリカ・ロサンゼルスに生まれ、幼少期から空手やレスリングで体を鍛えた。10代から演技を始め、アメリカでドラマや映画に出演。日本に来てからも、数々の作品で独自の存在感を示してきた。共演者からは「まっけん」の愛称で親しまれている。
だが、昨年12月14日、単独初主演作となる映画「ブレイブ─群青戦記─」の記者会見場に現れた新田真剣佑(24)は、はじめ、少しだけ硬い表情に見えた。
会見が始まると一転、快活に場を盛り上げる。高校生VS戦国武将という映画の設定にちなんで、「最強の部活と戦い方は?」と振られると、こう答えて会場を笑わせた。
「僕は水球部だったんですけど、水球って“パンいち”なんですね。ホントはやっちゃいけないんですけど、(水面下で)パンツに足を引っかけて……」
フォトセッションのあと、本広克行監督(55)の「今回のテーマには『継承』がある」というコメントを受けて、意を決したように語った。
「もともと役者になりたいと思ったきっかけをくれたのが三浦春馬さんで、今回、この映画でご一緒できてものすごくうれしかったです。(中略)それは僕の役者人生ですごく大切で、忘れることができない宝物です。大好きな春馬さんの最高の姿が観られるので、ぜひ楽しみにしていただきたいですし、最高の映画を春馬さんにも届けられると思います」
退出するときにみせた深く美しいお辞儀は、武道の立礼を思わせた。最高の敬意が、天国に届いただろう。(フリーランス記者・中村千晶)
※AERA 2021年2月1日号