日々の感染者数増加の報道や緊急事態宣言を受けて、外出や人との接触は極力控えるようになったという方は、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。私も、年末の急増を目の当たりにしてからは人と会うことを最小限にし、20時で飲食店が閉まるようになってからは外食もしなくなりました。とはいえ、ワクチン接種すら始まっていない日本で、緊急事態宣言を出したところで新型コロナウイルス感染症の流行が劇的に落ち着くとは思えないのです。
最近気になるのは、「社内で陽性者がでたが、保健所からは濃厚接触者には当たらないと言われた」という声がちらほら聞かれることです。濃厚接触者に該当せず自覚症状もないが、「不安」なのでPCR検査をしておきたい、ないしは会社から検査をするように言われたと、クリニックにお越しになるのです。
国立感染症研究所の「積極的疫学調査実施要領」によると、「濃厚接触者」とは、患者の感染可能期間内(発症日の2日前から、診断後に隔離などをされるまでの期間)に、接触した者の内、次の範囲に該当する人です。
1.患者と同居、あるいは長時間の接触(車内・航空機など)があった人
2.適切な感染防護なしに患者を診察、看護もしくは介護した人
3.患者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い人
4.その他、手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策(マスクなど)なしで15分以上接触があった人
そして、「濃厚接触者」に該当するかどうかは、保健所が聞き取り調査を行った結果から、総合的に判断して決めます、と書かれています。
つまり、マスクを着用していれば濃厚接触者に該当しない、と総合的に判断されているようなのです。今や、自宅にいるときや食事をするとき以外はほとんど着けているマスク。オフィスの同じ空間にいた人が陽性であっても、ずっとマスクを着けていれば、そして長時間話すことをしていなければ、感染している可能性は低いということなのでしょう。