こうした怒りの声が全国からわき起これば、次の総選挙で全国の比例票にも影響することは明らかで、遠山氏が議員辞職に追い込まれたのも無理はない。だが解せないのは、婦人部をはじめ支持母体の学会員からそっぽを向かれたら選挙では戦えないのに、なぜ緊急事態宣言下で銀座のクラブなどに行ったのか、ということだ。遠山氏を知る永田町関係者はこう話す。

「公明党の世代交代の象徴であり、党からの期待は大きいものがありました。神奈川6区で落選すれば公明党は比例では復活できないので、背水の陣で臨む覚悟だと話していました。次の選挙に向けて相当必死だったことは確かです。財界から芸能界まで人脈も豊富な人ですが、ちょっと軽いというかミーハー的なところもあった。そうしたフットワークの軽さと、選挙へのあせりが一番悪いタイミングで出てしまったのかなとも思います」

 遠山氏の行動に学会員から批判の声が上がっていることに対し、創価学会本部はどう受け止めているのか。質問状を送ると、書面でこう回答した。

「様々なご意見があることを承知しております。(遠山氏の行動は)政治不信をもたらしたことを遺憾に思います」

 行為自体は決して許されないが、批判の声に耳を傾けて遠山氏が議員辞職したことは、潔い決断だったともいえる。政治家が道を誤った際には、支持者といえども「厳しい声」を上げるべきだ。今回の騒動はその契機になってほしい。(取材・文=AERAdot.編集部・作田裕史)

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