緊急事態宣言下で、「銀座クラブ通い」をしていたことが発覚した公明党の遠山清彦衆院議員(51)が、2月1日、議員を辞職することになった。遠山氏はクラブ通いだけでなく、自らの資金管理団体がキャバクラ店などに支出してことも明らかになっており、これらの責任を取る形となった。問題発覚からわずか1週間で議員辞職にまで追い込まれた背景には、公明党の支持母体である創価学会の「婦人部」の怒りも大きく影響したようだ。
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「極めて不適切な行動と、資金管理団体の過去の不祥事で、国民の政治への信頼を深く傷つけてしまった。改めて心からおわびしたい」
2月1日、遠山氏は記者団に対してこう陳謝した。次の衆議院選挙には立候補しないことも明らかにした。
1月22日の深夜に遠山氏が銀座のクラブを訪れていたと週刊文春電子版が報じたのは、同月26日のこと。遠山氏はすぐに事実を認めて謝罪したが、29日には自身が代表を務める資金管理団体「遠山平和政策研究所」が、2019年度のキャバクラなどの飲食費を政治資金から支出していたことも判明。すぐに党の幹事長代理を辞任したが、世間からの批判は一向に収まらず、結局、議員辞職にまで追い込まれた。
ただ、同時期に銀座クラブ通いをしていた自民党議員3人は離党届は出したものの、議員辞職にまでは至っていない。その違いは何なのだろうか。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう解説する。
「公明党が他の政党と異なるのは、支持母体が創価学会であることです。特に選挙における最強の集票組織である『婦人部』は、こうしたスキャンダルを特に嫌います。高級クラブ、キャバクラなど女性がからむ不祥事は特にタブーです。今回は、公明党や遠山事務所に婦人部から『選挙で応援できない』などの突き上げがかなりあったようです。婦人部の協力がなければ公明党は選挙を戦えません。このままでは、次の衆院選で比例九州ブロックから小選挙区の神奈川6区にくら替えする予定だった遠山氏は勝てる見込みが薄い。そうなら早めに進退を決める必要があると、公明党執行部も遠山議員本人も判断したのでしょう」