現在の遠山氏の選挙区である九州地方に住む60代の現役学会員の男性も、地元婦人部の反発は強かったと話す。

「私の周りの婦人部の方たちは『とんでもないことだ』『こっちは手弁当で(選挙を)がんばっているのに銀座のクラブとは』と怒り心頭でした。そりゃあ、そうでしょう。コロナで仕事が激減して、私たちは居酒屋にも行く余裕はない。それが一晩で10万円くらいする高級クラブに行ってるんだから、怒らない方がおかしい。20年前に遠山さんが参院選に初出馬したとき、皆で盛大に送り出してあげたんだけど、膝に顔がつくほどお辞儀して、すごく腰が低い好青年でした。英語もペラペラで顔もいいから、婦人部からはひときわ大きい歓声と拍手がわいていました。婦人部から人気が高かっただけに、今回はより裏切られたという思いが強かったのだと思います」

 選挙となれば口コミや横のネットワークで縦横無尽の活動を繰り広げる創価学会の婦人部。庶民感覚が強い創価学会員のなかでも、特に生活者の視点を大切にしているといわれ、彼女たちの動きが選挙結果に大きく関わることはずっと指摘されてきた。東京都に住む60代の女性は学会「2世」で、50年以上創価学会員として活動してきた。地域の婦人部で「バリ活」として積極的に選挙運動もしてきた。長年選挙では公明党を支持してきたが、今回の遠山氏の行動には怒りを覚えているという。

「私が憤っているのは、銀座のクラブへ行ったこともそうですが、キャバクラやガールズバーで政治資金を使っていたことです。今回だけたまたま発覚したとは考えられず、ずっと行っていたということでしょう。それにこのお金は国民の税金の一部でもあります。お金の使い方があまりにもずさんで、議員として信用できません。公明党も最初はかばおうとしていた節があります。でも、SNSなどでも次々と遠山議員の悪い話が出てきて、次の選挙で不利になると思ったから執行部が守り切れなくなって、議員辞職したのでしょう。遠山議員への怒りとともに、以前から少しずつ感じていた公明党への不信感もピークに達しました。これから公明党を応援できるかといえば、NOと言うしかありません」

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創価学会本部は「遺憾」と表明