思い出の場所で撮る「おもいで写真」。遺影代わりのその写真は過去や未来を輝かせていく。映画「おもいで写眞」主演の深川麻衣が、写真として残したい風景とは?
映画「おもいで写眞」で演じるヒロイン結子は、メイクアップアーティストを目指し上京するものの、夢破れて故郷の富山に帰ってきた。
「結子のうまくいかないことで感じるいら立ちや悔しさ、不安はすごく理解できます。私も勝手にへこんだりして、それはよくないなと思うこともありました。だけど振り返ると、そういう感情が自分にとってのバネになってきたのかなと思います」
作品の舞台となる富山で撮影のため20日間過ごしたことで、自身の原風景をあらためて意識することもできた。
「富山の風景や方言がどこか懐かしく感じられました。静岡の実家の周りの田んぼが緑に包まれる季節は本当にきれいで。小さいころから見慣れたその風景の前が、一番自分らしさが出るのかなって」
「あえて東京限定で『おもいで写真』を撮るなら?」と聞いてみた。
「よく行く洋食屋さんがあるんです。そこのオムライスが大好きなので、一緒に撮ろうかな(笑)」
(取材・文/本誌・太田サトル)
深川麻衣(ふかがわ・まい)/1991年生まれ、静岡県出身。2016年まで乃木坂46のメンバーとして活動。卒業後は連続ドラマ「日本ボロ宿紀行」(テレビ東京系)の主演をはじめ、女優として数多くの作品で活躍。
※週刊朝日 2021年2月12日号