真田教授は「30代ぐらいから自分のタイプ、傾向を知り、将来のために自分が今優先すべきエクササイズは何かを知ることが重要」とアドバイスする。

 具体的には、メタボタイプは内臓脂肪を減らすことが目的になる。お勧めの運動はウォーキング、水中歩行などの有酸素性運動だ。運動が苦手な人は家事や庭仕事などで積極的に体を動かすことを意識しよう。

 サルコペニアタイプには筋トレだ。特に年齢とともに減りやすい足とおなかの筋肉を鍛えたい。介護予防まで見据えると、椅子から立ち上がる筋力維持に必要なモモとお尻の筋肉を鍛えるのに最適なのがスクワットだという。

 高齢者は1セット20回、1日3セットが目安だが、年齢に応じて若い人ほど回数は少なく負荷は多めに。パワートレーニングは骨密度の増加にも有効なので採り入れたい。

 包括的な健康増進には有酸素運動と筋トレの両方が理想だが、最初から両方するのはハードルが高い。筋トレは在宅勤務の合間にもできるため、コロナ禍は日常に採り入れる好機ともいえる。真田教授が勧めるのが「ながら筋トレ」だ。歯磨きをしながらスクワットを20回、寝転んでテレビを観ているときCMに入れば上体を起こして腹筋を鍛えるといった具合に、日常生活の中で筋トレをするタイミングを決めておけば長続きするという。(編集部・渡辺豪)

AERA 2021年2月15日号より抜粋

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渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

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