■コロナ型栄養失調も
VitaNoteでは検査後にアプリでおすすめ食材が表示されるほか、管理栄養士にチャットで相談もできる。筆者の場合はビオチンやパントテン酸という広く多くの食材に含まれているはずの栄養素が不足しており、食事の全体量が足りていないことも考えられると指摘された。言われてみれば、在宅勤務で動かなくなったため太らないように食べる量を減らしていたし、家だとついおやつに手が伸びておなかが満たされ、食事を抜くことも多いような。20代記者は、鍋に豚肉やホウレン草を追加してビタミンB1や葉酸を摂取する提案をもらい、「それなら簡単にできそう」と嬉しそう。塩分過剰のパスタ好きデスクには、レモンや青じそや生姜(しょうが)を使うことで、薄味でもパンチの利いたパスタの提案があった。ここまで生活に即したアドバイスがもらえるとは驚きだ。検査結果を元にパーソナライズされたサプリを購入することもできる。
外食を自粛し自炊が増えたコロナ禍の食事傾向について、「外食ならいろんな人の好みが交じりますが、自宅では自分の好きなもの、調理しやすいものに偏り、食品のバリエーションが定型化しやすい。近年は小食・欠食などで成人女性に新型栄養失調の課題が生じています。コロナによりさらにその実態が変容している兆しがあると感じます」と前出の石田さんは分析する。
“コロナ型栄養失調”とも言える事態が、すでに我が身に起きているのかもしれない。(編集部・高橋有紀)
※AERA 2021年2月15日号