ただし、他のワクチン同様の副反応は起こる。注射を打った場所が腫れたり痛んだり、発熱や悪寒、頭痛や疲労感が生じ、日常生活に支障が出ることはある。CDCは「こういった副反応は数日中に解消する」という。
また、100万人当たり2~11人と発生頻度はまれではあるが、重篤なアレルギー反応(アナフィラキシーショック)が起きる人もいる。CDCは、1回目の接種でショックが起きた人の2回目に加え、ワクチンに含まれる化合物「ポリエチレングリコール」などの成分や、似た化合物に対して急性アレルギー反応を起こした経験のある人も接種しない方がいいと勧告する。
現時点では小児での効果や安全性について十分なデータがないため、WHOはファイザー社製は16歳以上、モデルナ社製とアストラゼネカ社製は18歳以上に接種するとしている。
厚生労働省の予防接種基本方針部会の部会長代理を務める中野貴司・川崎医科大学教授(小児科)は、「変異ウイルスは、小児に感染しやすくなっているという報告もある。小児の重症化は少ないかもしれないが、小児が感染しやすくなって発熱する子どもが増えれば、医療機関は混乱する。小児についても、ワクチンの効果や安全性を早急に検証するべきだ」と指摘する。
(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)
※AERA 2021年2月22日号より抜粋