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週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2021』より
週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2021』より

 週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2021』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、病院から得た回答結果をもとに、手術数の多い病院をランキングにして掲載している。また、実際の患者を想定し、その患者がたどる治療選択について、専門の医師に取材してどのような基準で判断をしていくのか解説記事を掲載している。ここでは、「大腸がん手術」の解説を紹介する。

【図解】大腸がん治療の選択の流れはこちら

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 大腸は、小腸に続いて右下腹部から始まり、腹部を大きく回って肛門につながる1.5~2メートルほどの管状の臓器である。

 ここにできたがんが大腸がんであり、消化された食べ物が通る側の表面の粘膜から発生し、腸壁の奥深くに進み、やがて腸壁を超えて、腸の周辺に広がっていく。

 大きく分けて、小腸から続く結腸にできる結腸がんと、肛門に近い直腸にできる直腸がんの2つがある。日本人には、直腸と結腸の境目の結腸側であるS状結腸のがんと直腸がんが多くみられる。

 がんが粘膜やその下の粘膜下層にとどまっている段階を早期がん(0期、I期)、それ以上、深く進んだがんを進行がんという。

 早期がんのうち、粘膜下層の深くに達している場合は、がんが周辺のリンパ節に広がっている可能性があり、手術でリンパ節も併せて切除する場合がある。

 進行がん(III期など)では、リンパ節に広がっている領域を含めて手術で切除することが第一選択である。手術後、経過観察になる場合もあれば、補助的に抗がん薬を加える場合もある。

 進行がんの中でもがんが肝臓や肺など、他の臓器に転移している段階(IV期)になると、手術をせずに薬物療法、あるいは症状を抑えるための放射線療法などの対症療法となる場合がある。

 大腸がんの手術が決まったら、医師の説明をもとに患者が開腹、腹腔鏡、ロボットといった手術法を選択することになる。その際に注意したいポイントを神奈川県立がんセンターの塩澤学医師はこう話す。

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