将来の夢は生物学者。幼いころ、祖母から植物の名前を教えてもらい、興味を持つようになった。
「動物と違って、植物はコミュニケーションが取れない。にもかかわらず、なぜこれだけ種類が多いのだろうと」
受験勉強の息抜きでも、生物分野の英語論文を探して読んだ。誰かに勧められたわけではなく、スマートフォンで検索してたまたま見つけた論文がおもしろかったのがきっかけだという。
趣味は美術館巡り。特に風景画の巨匠ターナーや17世紀バロック絵画の代表者ルーベンスの作品が好きだ。今は、京都に思いをはせる。
「高校時代に行けなかった京都の美術館や博物館に足を運びたいです」
桃山学院高(大阪)の井上晃太朗さんは自由な校風に憧れて京大を志望し、経済学部に合格した。
特色入試では発展途上国への関心をアピール。
「コロナ禍でワクチンが一部の国に偏っているというニュースを見ました。アメリカでは食糧支援の活動も始まっていますが、日本では盛んでないことが気にかかりました」
将来の進路は模索中だが、NPOでの活動にも関心があるという。
ソーシャルゲーム(SNS上のオンラインゲーム)が趣味だ。入試直前でも1日3時間を費やす日もあった。ただ、その後は気持ちを切り替え、1日平均4~5時間ほど勉強に集中した。
「自分の場合、他にやりたいことがあるのに勉強しても集中しづらい。遊びと勉強のメリハリを大事にしました」
今の気持ちをこう話す。
「合格は確かにうれしいですが、ここがゴールではないなとも思います。大学生活に備えて新たな目標を定め、それに向けて頑張っていきたいです」
(本誌・松岡瑛理)
※週刊朝日 2021年3月5日号