戦後すぐの本誌表紙は、主に絵画だった。時折掲載された街の絵から、復興の様子が垣間見えた。60年代になると、時代を表す人物や事件の写真に取って代わる。高度経済成長期、バブル期、そして……。「週刊朝日」の表紙は、古き良き昭和から令和までの戦後日本の歴史を伝えている。
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■奇跡の復興と高度経済成長
1958年に竣工した東京タワーは国民に夢と自信を与えてくれた。「明日は今日より良い日」と信じた高度経済成長期。東京五輪、大阪万博が開かれた。その一方で過激派による闘争。熱く激しい時代だった。
■戦後の女性にモード指南
47年9月21日号から毎週、表紙と記事を連動させ女性のファッション指南を行うようになった。敗戦から3年足らずの号には、こんな文章が載っている。
マダム向きのアフタヌーンドレス=フレンチスリーブの袖は、前後のつなぎを透かす。身頃からつづいた布は、ベルトでギャザーラフルとなつてスカートの切りかえにおさめる。
■狂乱のバブル期と宴の後
土地と株の価格が上がりだし、日本経済は世界を席巻した。しかし昭和から平成に時代が変わるとともにバブルが崩壊。実に長き「失われた」年月の中、政権交代があり、東日本大震災が起きた。
(構成/本誌・菊地武顕)
※週刊朝日 2021年3月5日号
〈昭和の日スペシャル〉戦後日本を代表する大女優・京マチ子 「極上の美と破壊性が共存」