女子サッカー界が日本の社会を変える?※画像はイメージ (c)朝日新聞社
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 国際女性デーとして定められた3月8日を、日本サッカー協会(以下JFA)は「女子サッカーデー」と位置づけている。イエローのドットをベースにしたロゴは、国際女性デーの象徴・ミモザがイメージされている。

 もともとは、アジアサッカー連盟(AFC)が「国際女性デーの3月8日を女子サッカーデーとして、アジア全体で女子サッカーに関わる取り組みを始めよう」と呼びかけたことから始まったという。そしてJFAでは、2019年、正式に日本の女子サッカーデーと制定した。翌2020年からは、女子サッカーデーの前後1カ月間に、日本全国で女子サッカー発展、普及などを行うようになった。

 2021年度は「女子サッカー普及アプローチ」と「リーダーシップを発揮する女性たちを後押し」を軸にする予定で、その中には、各種のシンポジウムや少女向けのフェスティバルに加えて、女子サッカー漫画「さよなら私のクラマー」とのコラボレーションなどが、注力事業として挙げられている。

 JFAの今井純子女子委員長は、女子サッカーデーを制定した意図を次のように説明する。

「これまでにも、女性指導者育成の促進や、普及の取り組みは行われていました。それを効果的にプロモートするためには、ひとつの核となるタイミングを作り、それを全国で一斉に行い、発信していくことが必要。一年中、いろいろなところでさまざまな取り組みをしているのですが、それらをひとつに束ねることで、パワーと相乗効果を生み出すのではないかと考えました」

 この取り組みに共感し、積極的にサポートする企業も出ている。例を挙げれば、日本代表チームのオフィシャルサプライヤーであるアディダス ジャパン株式会社だ。中学生年代の女子チームが少ないという課題に対して、初年度ユニフォームの提供、メンバー募集の告知ツール制作、そしてサッカークリニック開催という3点でサポート。その結果、コロナウイルス感染拡大の影響もあって、予定していた活動をすべて実施することはできなかったというが、この試みによって、U-15年代の女子チームが10チーム誕生した。

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日本スポーツ界は女性の進出で「遅れている」