検査結果を届けてくれた看護師さんが驚いて、「先生、一体何をしたんですか」と私を問いただすのです。
しかし、“休肝日なし”で毎日飲むということは、変わりなく続けていますし、酒量にも変化はありません。ライフスタイルで変わったことは何もないのです。数年前から会食のときに、付き合いで食べるというのをやめて、わがままに食べたい物だけを食べるようにしたので、体重が3キロほど減りました。それがプラスに働いたことは考えられます。それ以外に何が変わったのだろうかと考え続けて、思いついたことが二つあります。
一つは、1年ほど前に知人から梅肉エキスをもらい、それがきっかけでこれを毎日なめるようになったのです。診察室に置いていて、気が向いたら手に取ります。1日に2~3回はなめます。
もう一つは、毎日の晩酌に新メニューが加わったのです。骨を強くするためにカルシウムを取ろうと考えて思いついたのですが、ウイスキーのロック割りのチェイサーとして、昆布のだし汁を飲むことにしたのです。元々、湯豆腐が大好きで、その昆布から出た汁は体によさそうだと思っていたのです。これは一晩に4~5杯は飲みます。
この二つが数値を改善させたのかどうかわかりません。でも、このぐらいなんですね、変わったことといったら。
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中
※週刊朝日 2021年3月26日号