3月11日には新橋演舞場でプレスコールが行われた。左からジャニーズJr.の冨岡健翔、SKE48の惣田紗莉渚、戸塚、松田悟志(撮影/大野洋介)
3月11日には新橋演舞場でプレスコールが行われた。左からジャニーズJr.の冨岡健翔、SKE48の惣田紗莉渚、戸塚、松田悟志(撮影/大野洋介)
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 A.B.C−Zとしてグループで活躍する一方、演技でも高い評価を受ける。その背景にあるのは、深い洞察と独自の思考だ。戸塚祥太の言葉には、ならではの感性が光っている。AERA 2021年4月5日号に掲載された記事を紹介する。

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 A.B.C−Zの戸塚祥太が築山桂の時代小説を原作とした舞台「未来記の番人」に主演中だ。ストーリーの面白さはもちろん、ダンスで心情を表現する「ダンスカンタービレ」や本格的な殺陣(たて)も見どころだ。

戸塚祥太(以下、戸塚):ダンスカンタービレは初めて挑戦しましたが、今後もっとやっていきたいなと思いました。僕は体を動かすことが大好きですし、落ち着きがないので、動いて表現するほうが性に合う。ただ、殺陣は本当に大変でした。殺陣の手を覚えても、翌日には忘れてしまうんですよ。ダンスだとそんなことはないので初めての体験で。しかもコロナの影響で練習時間が短かったので、皆さん、すごい集中力で乗り切った感じです。まぁ、僕はいまだに苦戦していますけどね。呼吸が大事なんですが、相手に寄りすぎても、自分に寄りすぎてもダメ。あんばいが難しくて……今は始まったばかりで、気持ちに肉体が追いつかないところもあるんですが、後半は別人のような動きになってると思います。期待してほしいです(笑)。

■舞台での表現が好き

 時は徳川3代将軍家光公の治世。戸塚が演じる千里丸は、千里眼という異能をもって生まれたために疎まれて故郷を追われ、引き取られた里で忍者として育てられる。そして、時の権力者、天海大僧生から下される命令を遂行するためだけに生きている。

戸塚:千里丸を演じるのは、今までで一番難しかったです。原作の小説には、舞台の台本以上に化け物扱いされてひどい目に遭いながら生きてきた過去が書いてあるので、それを読んで千里丸の生きるエネルギー源みたいなものを想像しながら近づこうとしましたが……俺はあまり好きではないですね、千里丸。友達にはいないタイプです。彼は全部誰かのせいにして逃げているし、正論を言われて「ふざけんなよ!」って堂々と開き直るようなクソダサいやつなんですよ(笑)。仲間の士郎左(松田悟志)は出世したくて努力をして上忍になるんですが、俺は士郎左のほうが理解できる。

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