![「ピーター」改め、俳優の池畑慎之介さん(68)。一時は5軒も物件を所有。現在は海が見える場所に一軒家を建築中(事務所提供)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/6/2/682mw/img_622784e959970c88cee57eac40e5653d68310.jpg)
![海の近くに住まいを求める池畑慎之介さん(事務所提供)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/0/3/512mw/img_03f3f87f7b5e9331b8c497800cf75dbf27426.jpg)
年齢を重ねれば誰もが考える「家じまい」。ただ、終のすみかを考える前に、「家とは」を問う必要もある。「家が生きがい」という池畑慎之介さん(ピーター)に話を聞いた。
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家は人生の基盤です。「そこに帰りたい」と思うような住まいを選び、そこに暮らすことこそが生きる上で大切なことだと私は思っています。家しか興味がありません。
思い出深いのは、40歳のときに両親のために一から建てた熱海の一軒家。海が見える露天風呂も付けました。母を現地に連れていったとき、母は家の前で号泣していました。育った鹿児島の海を一望する暮らしが自分にとっての原風景。海風を感じられる住まいを求めて、九州、熱海、湘南、そしてハワイなど……都心(高輪)の家を含めて一時は5軒も所有していました。今はほとんどを処分しています。
52歳で葉山に建てた一軒家は一昨年に売却しましたが、これは骨折がきっかけ。松葉杖で歩く螺旋階段が非常に危険だと感じたから。地盤上、エレベーターが付けられなかったのです。その後は建て売りの平屋を購入し、今はそこに暮らしています。視界を遮る高い建物もなくロス郊外の住宅地みたいな雰囲気で素敵なんですが、やっぱり海が恋しくて。今は海が見えるロケーションに土地を購入し、新しい住まいを建築中です。エレベーター付きの一軒家で安心なのです。やはり年を重ねると家の中での転倒事故は避けられません。それに備えた家づくりは大切だと考えています。
家じまい? 私の場合は、全然終活じゃないですよ。だってまだ60代ですから。ただいつかは──とは考えています。75歳ぐらいかしら。そのときがきたら、家を売却して賃貸暮らしをすると思います。
先日たまたま近所の高齢者施設を見に行きましたが、海が見えてとても素敵でした。お料理も素晴らしかった。
これまでも、これからも、「あぁ素敵だな、美しいな」と感じるところにしか、住まないと思います。当然ながら施設選びも。家は、私の人生そのものですから。
(まとめ/編集部・大崎百紀)
※週刊朝日 2021年4月9日号
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