もはや感染爆発を防ぐことはできないのか。だが、あきらめてはいけない。AIは次のような可能性も導き出している。

 まず、行動規制を始めるタイミングを1日で500人の感染者が出た時点に早める。そのうえで、ワクチンの接種対象を60歳以上7割、59歳以下3割に設定する。現在の日本のワクチン接種計画では、医療関係者と65歳以上の高齢者を優先する方針だが、59歳以下の人にも同時に接種する。具体的には、老人介護施設で働く人や高齢者の同居家族などを優先接種に加えることを想定している。

 すると、第4波のピークは前倒しされ、8月30日に感染者は700人、重症者は9月11日の90人まで減少した(下のグラフ)。倉橋教授はこう指摘する。

「英国型の感染爆発を防ぐには、これまでと同じ対応では難しい。さらに厳しい外出制限やワクチンの接種方法にも工夫が必要です」

 東京では、4月3日に446人の感染者が確認された。感染拡大のスピードはAIの予想を超えている。変異株の感染爆発を防ぐには、今すぐ行動するしかない。

(本誌・西岡千史、秦正理)

週刊朝日  2021年4月16日号より

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