そういえば、冒頭の占い好きの女性はこうも話していた。

「(目的は)開運とかじゃない。ホロスコープは全部つながっていて、ストーリーがある。それが面白いんです」

 先が見えない時代だからと言って、私たちは占いで「先」を言い当ててもらうことだけを求めているのではない。過去から現在、未来へとつながる物語。占いによって紡ぎ出される自分だけの物語、あるいはその人だけのオンリーワンの物語を知ることが、ある種の満足感をもたらしていることは間違いない。(文中一部敬称略)(編集部・高橋有紀、ライター・羽根田真智)

AERA 2021年4月12日号