ただ、上司と部下との関係だと互いに気をつかってしまう。そうならないよう、ペアは他部門の人どうしが基本だ。

「若者と話すのは自分の子どもくらいというベテランもいます。利害関係がなく、若者と話せる貴重な機会です」(担当者)

 とはいえ、共通の話題がないと話が弾まないかも。そこで、最初の面談の前に、パワーポイントに好きな趣味を書き込む。「My 偏愛 Map」と名付けて、2人で共有する。仕事を離れた趣味の話も交えることで、ベテランは「肩書」という鎧を外して、話しやすくなる。

「外資だと自由参加かもしれませんが、うちは人事部主導。リバース・メンタリングに興味がない人も参加して、若者から学ぶきっかけになっていると思います」(同)

(ライター・井上有紀子)

AERA 2021年4月12日号より抜粋

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