ダイエットしなくてはと思っていても、ついつい食べすぎてしまうという人も多いのではないでしょうか。頭ではわかっていても食欲を抑えきれない、という人は、どこに気をつければいいのでしょう。 早稲田大学大学院で運動生理学を学び、「ダイエットコーチ計太」としてYouTubeでも活躍するパーソナルトレーナー・計太さんが解説します。
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今回は、食欲が乱れてしまう原因とその対策について紹介します。まずはじめに、食欲に関する二つのホルモンについて解説しましょう。
<食欲に関わる2つのホルモン>
食欲を整える上で重要なのが「栄養状態」と「ホルモン」です。脳は体の栄養状態を察知して、ホルモンを調整することで、食欲をコントロールしています。この食欲に関連するホルモンというのが、レプチンとグレリンという、2つのホルモンです。
レプチンは、脂肪細胞から分泌される食欲抑制ホルモンです。不思議な感じがすると思いますが、実は脂肪細胞から食欲を抑制するホルモンが分泌されます。
グレリンは食欲亢進(こうしん)、つまり食欲を出させるホルモンで、胃から分泌されます。
この食欲を抑制するホルモンと、食欲を亢進するホルモンがバランスをとり、日ごろ私たちの食欲を調整してくれています。この基礎知識を踏まえた上で、どんなときに食欲が乱れてしまうのかを解説しましょう。
<食欲が乱れる5つの原因>
(1)カロリー不足
多くの人の食欲が乱れてしまう大きな原因のひとつは、カロリー不足です。身体にエネルギーが不足している状態になると、脳はエネルギーを補給させようと、食欲亢進ホルモンのグレリンを出します。カロリー不足だと何か食べたくなるというのは、当然の反応ですよね。ですので、食べすぎを防ぐためには、基本的にカロリー不足はあまり良くありません。
とはいうものの、やせるためにカロリー不足の状態を意図的に作っている人も多くいるでしょう。ですが、特に最近は、カロリーが不足しすぎの人が多いように感じます。やせるためとはいえ、カロリーを摂取しなさすぎて代謝が落ちてしまい、食欲が乱れている人をたくさん見てきました。