のめり込んだら、自分が生まれる前の作品も見たくなって、有料で過去の大河ドラマをアーカイブ視聴しました。リアルタイムで見ていないものも、だいたい20作品ぐらいはさかのぼって見ています。
――歴代大河ドラマのベスト3を挙げるとしたら何でしょうか。
難しいなぁ。(歴代大河の)一覧見せてもらってもいいですか?
こうしてさかのぼってみると、第1作目の『花の生涯』(1963年)からまず、「え!井伊直弼!?」ってなりますね。教科書で習う歴史って、基本的には勝者の歴史じゃないですか。大河ドラマのスタートは、徳川家康や織田信長あたりが自然なのかなと思いきや、いきなり「井伊直弼か!」って(笑)。学校で習った知識だと悪者にしか思えなかった井伊直弼を描いたという点でも、この『花の生涯』は面白かったですね。井伊直弼にも彼なりの信念があって、筋の通った人生を送ったんだと思って。
あ、ベストでしたね。難しい。あぁ、迷うなあ~。
――じっくり迷っていただいて大丈夫です。
(数分後)決めました。1位『篤姫』、2位『麒麟がくる』3位『龍馬伝』(2010年)です!
やっぱりリアルタイムで見ていた作品は、次の週をワクワクしながら待っている感覚を覚えているので、思い入れがあります。だからこそ、リアルタイムで見ていないものに、そんなに責任を負えないのですが……。
――ベスト1に選んだ『篤姫』の魅力は何ですか。
篤姫は教科書に載っていないし、それまで名前も知らなかったお姫様だけれど、とんでもなく波乱万丈な人生を歩んでいるし、人間としてもすごく魅力がある。歴史上の人物として地位や名誉を残さなくても、自分が置かれた場所での輝き方があるって、篤姫を見て思いました。大河がなかったら、まず出会えていなかった人物です。
――篤姫の人生観に共感する部分があったでしょうか?
共感というよりも、尊敬ですかね。大河を見ていて、共感することはあまりないんです。尊敬や憧れ。こうなりたいという感情ですね。篤姫は、子どもの時も大人になってからもやることが大胆で、破天荒。そういう根の強さみたいなものを持ちたいなって思いました。