一風変わった特技を持つ、個性的なメンバーが多いことで知られる乃木坂46。2期生の山崎怜奈(23)もその1人だ。慶応義塾大学を卒業し、クイズ番組でも活躍するグループきっての知性派。そんな山崎は、自身が生まれる前の大河ドラマをさかのぼって見るほどの“大河ドラマオタク”でもある。大河への深すぎる愛を、AERAdot.のインタビューで語り尽くした。
――現在放送中の『青天を衝け』はまだ序盤(取材時点で第8話まで)ですが、現時点でどんな感想を持っていますか。
まだ(渋沢栄一の)若い頃ですが、成し遂げてきたことのルーツが分かるので、すでに引き込まれています。大河ドラマの序盤の醍醐味は、その人が成功を収める前にしくじってきたことや、影響を受けた人との出会いを知ることができる点です。その1ピース1ピースが、後の人間像に仕上がっていくのだと思うと、今からワクワクしますね。
ちなみに渋沢栄一は、坂本龍馬と並んで好きな歴史上の人物です。渋沢は、人のために尽くすことに陶酔したり依存したりせず、一歩引いて、何百年後の利益を考え、とても長い目で世界を見ている。だからこそ、今も彼が携わった企業がこんなに残っているのだと思います。もし坂本龍馬と出会って一緒にビジネスを起こしていたら、どうなっていたんだろうと想像してしまいます。
――大河ドラマは、初回から最後まで欠かさず見ているのですか。
欠かさず見ますね。序盤ならではの楽しみ方もあります。たとえば、『麒麟がくる』(2020~21年)の主人公である明智光秀は、41歳からしか史料が残っていないので、とにかく「謎」が多い。彼の若い頃を描いた序盤は、専門家を交えて皆で議論し、いろいろな説を元に作っていったと聞いていたので、「なるほど、この説を採用したんだ」と思いながら見ていました。
明智光秀は冷静だし八方美人だけれど、「闇」や「孤独」を秘めているのが好き。ちょっと危ういですよね。光秀を見て、相手に尽くす時、あまり相手には期待をかけないことが大事だなと思いました。そうでないと、期待した反応が返ってこない場合、「こんなにやってあげたのに」という恨みにつながってしまう。光秀の場合もたぶん、その「のに」が蓄積された結果が、主君の焼き打ちだったと思うんです。
――歴史や大河ドラマを好きになったきっかけを教えてください。
父親が大河ドラマ好きで、物心ついた頃から自然と父の隣で見ていました。『新選組!』(2004年)ぐらいから記憶にあるのですが、まだ私も幼かったので、何をやっているのかは分かっていなかった。時代背景がわかるようになって、ようやく物語がのみ込めるようになったのは『篤姫』(2008年)からです。小学校5年生ぐらいかな。『篤姫』以降は録画して、ずっと見ています。