親なら誰もが経験する、子育て中のイライラ・怒り。朝なかなか起きてこない、朝の準備が遅い、ご飯をこぼす、宿題をしないでゲームばかりしている……。子どものいい分もわかるものの、つい声を荒げてしまって自己嫌悪……そんなことはありませんか?そこで、話題の新刊『科学的にイライラ怒りを手放す 神子育て』の著者である、作家・講演家の星渉さんに「これを知っているとイライラする回数が減る」という対処法を教えていただきました。今回は、「ありがとう」という言葉の使い方を考えます。
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「ありがとう」は、相手を喜ばせるだけでなく、相手に自己重要感を与え、結果的に自分の言うことも聞いてくれるようになる最強の言葉です。周りの人に「ありがとう」を伝えることであなたの味方がどんどん増えるイメージです。
それに、「ありがとう」が最強の理由がまだあるんですよ。なんだと思います? 「他の人はあまり言っていないから」というのが答えです。
つまり、感謝することをみんな軽くみているよ、ってことなんです。専門用語で言うと「感謝軽視バイアス」っていう言葉になります。
ありがとう、と言うことが大事なのを我々はわかっている。でも、今日何回ありがとう、って言いましたか?って問われると微妙じゃないですか? もしかしたら、1回も言っていないかもしれない。
日常で「ありがとう」と言えるタイミングってけっこうあるんですよ。まずは何かをやってもらったときに私たちがよく言う「すみません」。これを「ありがとうございます」に変えてみる。家族であれば、ふだんの何げない行動や、やって当たり前のこと(子どものお迎えに行ってくれた、お皿を下げてくれた)にも、あえて「ありがとう」と声に出してきちんと言ってみる。
「いつも言っていないタイミングで、わざわざちゃんと言ってみる」
ということがポイント。とはいえ、これ、言い慣れていないとなかなか口から出てこないんですよ。
だから、もう口癖にしちゃうといいんです。