私もかつて、日本一の個人投資家と言われた故・竹田和平さんが1日3千回ありがとうと言っていたと知り、同じことをやってみようと思ったんですね。毎朝約40分、身支度やその日の仕事の準備などをしているときに、「ありがとう、ありがとう」と言い続けてみたんです。そうすると、50~60回くらい言ったところで、ろれつが回らなくなるんです。そのとき、「ありがとう」って意外と言い慣れない言葉なんだなあ、ということを実感しましたね。
それでも1ヶ月ぐらい言い続けると完全に体に入り、ふだんの会話の中でスッと出てくるようになりました。ですから、今まで経営者の方たちにも、1日何回も「ありがとう」を言う練習をすることをアドバイスしていました。だってそれが相手の自己重要感を満たす最強の方法なんですから、経営者の方ほど部下や取引先の人に言うべきなんです。
さらに「ありがとう」をバージョンアップさせる言い方をお教えします。
「〇〇してくれてありがとう」と相手の行動に対して言うのでもいいんですけど、相手の性格とか存在に対して褒めてあげるともっといいんです。「〇〇してくれてありがとう。やさしいね」とか「〇〇してくれてありがとう。すごく頼りになるよ」とか。
このように行動+存在を褒めながら感謝を伝えることこそ合わせ技一本! 相手の自己重要感を最高に高めます。お子さんに言うなら「生まれてきてくれてありがとう」「ママの子でいてくれてありがとう」などを伝えるのもいいですね。
これこそ、かけがえのない素敵な言葉だと思いませんか?
※星渉さんの新刊『科学的にイライラ怒りを手放す神子育て』(朝日新聞出版)から