書店に並ぶ英訳版マンガ(Books Kinokuniya Tokyo、撮影/高野楓菜)
書店に並ぶ英訳版マンガ(Books Kinokuniya Tokyo、撮影/高野楓菜)
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「『ジョジョの奇妙な冒険』で英語を学ぶッ!」著者の北浦尚彦さん(提供写真)
「『ジョジョの奇妙な冒険』で英語を学ぶッ!」著者の北浦尚彦さん(提供写真)

 先日、第6部「ストーンオーシャン」のアニメ化が決まったばかりの『ジョジョの奇妙な冒険』。名言の嵐で知られているが、これらのセリフを英語に訳すとどうなるのか? 現在発売中の『AERA English 2021 Spring & Summer』(朝日新聞出版)では、ジョジョで英語を学ぶ方法を紹介している。

【写真】AERAの表紙を飾った映画『ジョジョの奇妙な冒険』の主演はこの人

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 連載開始から30 年以上たった今も、独自の世界観が多くのファンを引きつける『ジョジョの奇妙な冒険』。この作品の魅力となっているのは、型破りなストーリーと劇画タッチの画風、そして個性豊かな登場人物が放つ数々の名セリフだ。「『ジョジョの奇妙な冒険』で英語を学ぶッ!」は、そんなセリフを使って英語を学ぶユニークな学習書。監修はミュージシャンのマーティ・フリードマンさんが務め、セリフの英訳と文法解説は、英語講師の経験を持ち、現在は外国政府系貿易団体に勤務する北浦尚彦さんが執筆した。

 北浦さんがマンガの楽しさを知ったのは、ベルギーに住んでいた小学校時代。

「父が出張で日本に行くと、マンガを買ってきてくれたんです。当時の私にとってマンガは日本のことを知る貴重な情報源でしたし、知らなかった日本語も多く学びました。まさかマンガを題材にした英語学習書の制作にかかわることになるとは考えもしませんでした(笑)」

■一見強烈なセリフも英訳すると普段使いに

 中学生のときに連載が始まった『ジョジョの奇妙な冒険』も、北浦さんが愛してやまない作品の一つ。

「大好きな作品の翻訳ですから、めちゃくちゃ楽しかったですよ。ファンの方にも納得してもらえるように、極力オリジナルに忠実な訳を意識したつもりです」

 ここで一つの疑問が生まれる。ジョジョに登場するセリフは、果たして日常の会話のなかでも使えるのだろうか? ディオの「おれは人間をやめるぞ! ジョジョ――ッ!!」(I’m done with mankind, JOJO!)というセリフもなかなか強烈だが、「特徴的なセリフも、英訳すると意外と普段使いに適した表現が含まれているもの。例えばbe done with は、仕事、宿題、皿洗いなど何かを『終える』ことを表す言葉として、日常会話に使えますよ」と北浦さん。

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マンガのセリフも日常で使える