ドラマやCMで活躍中の女優、松本まりかさん。「あざと可愛い」CMや怪演ぶりで話題の36歳は、遅咲きの苦労人。作家・林真理子さんとの対談では「完璧な状態でメディアに出たい」と願う一方、「未熟な状態の自分が出てしまうコワさに戸惑いがある」と本音をポロリ。
【松本まりか「家はすき間風が寒くて(笑)。ブレーカーもすぐ落ちちゃう」】より続く
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林:松本さんは芸歴がずいぶん長いんですよね。
松本:はい、15歳でデビューしました。
林:たくさんの作品にお出になったんでしょう? NHKの朝ドラにも何回も出てるし。
松本:20年この仕事をやってるんですけど、そのわりには出演作が少ないほうだと思います。遅咲きと言われている高橋一生さんとか田中圭君とか中村倫也君とかは、ブレークするまでも、仕事がたくさんあったと思うんです。私の場合は、点と点のような感じで1年に舞台作品がいくつかあるみたいな状態でした。
林:そうだったんですか。
松本:それがこの2、3年で急激に仕事量がガラッと変わったというか。テレビにすごく出るようになったのは、特にこの1年です。
林:ブレークのきっかけになったのは、2018年のドラマなんですよね。
松本:はい、「ホリデイラブ」という作品で、これが広く知っていただくきっかけになったと思います。愛を信じて不倫するストーカーのような突き抜けた女の子の役で、その役が衝撃的だったこともあると思います。「ハマリ役」とか「当たり役」って言われて、「この役を越えることはこの先10年ないし、一生ないかもしれないよ」って先輩の俳優さんとか女優さんにアドバイスもらって、「私、これがマックスなんだ。このままだったら一発屋で終わるんだ」と思ってちょっとショックだったんです。そこから1年近く、仕事があんまりなくなって……。
林:へえ~。中村倫也さんの事務所の社長さんが、「彼を信じて長いこと給料を払い続けて、いつか花開く日を待っていた」ということを、このあいだテレビで言ってましたけど、松本さんはどうだったんですか。今、そばに事務所の人がいるから言いづらいだろうけど(笑)。