新型コロナウイルスの感染拡大による4都府県への緊急事態宣言を受け、対象地域でのプロ野球の試合を無観客とする措置が始まった。専門家の知見を基に感染対策を講じてきた球界からは、政府や自治体への憤りと悲鳴が漏れ聞こえてくるが、対象となった球団は一体どれほどの収入を失う可能性があるのか。

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 無観客となるのは、4月27日から5月11日まで、東京、大阪、兵庫の球場で行われる計18試合。

 内訳は▽東京ドームでの巨人戦、神宮球場でのヤクルト戦、甲子園球場での阪神戦が各4試合▽京セラドーム大阪でのオリックス戦が5試合▽東京ドームでの日本ハム戦が1試合、となっている。

 当初は▽巨人戦6試合▽ヤクルト戦7試合▽阪神戦4試合▽オリックス戦6試合▽日本ハム戦1試合、の計24試合が対象だったが、このうち6試合が延期された。

 セ・リーグ首位を走る阪神球団の関係者は嘆く。

「チームは好調、怪物ルーキーの佐藤輝明も活躍していて、入場制限さえ緩和されれば、お客さんは甲子園にもっともっと来てくれるはずでした。コロナ対策を球界をあげてやってきたのに、無観客のダメージはあまりに大きい。もう大変なんて言葉じゃ言い表せませんよ」

 すでに、兵庫県への「まん延防止等重点措置」適用を受けて観客数を制限していたものの、例えば23~25日のDeNA3連戦は全試合7000人超が入っていた。巨人を見ると、25日の広島戦(東京ドーム)は1万5千人を超えていた。

 一体、各球団はどれほどの損失を被るのか。熱烈な阪神ファンで、経済波及効果に詳しい関西大の宮本勝浩名誉教授(理論経済学)の試算によると、

▽巨人(4試合)4億1030万円
▽阪神(4試合)2億6202万円
▽ヤクルト(4試合)2億5747万円
▽オリックス(5試合)2億6572万円
▽日本ハム(1試合)9346万円

 という結果となった。5球団で計12億8897万円の損失が生じ、巨人に至っては、単純計算で1試合につき1億円超の収入が消し飛んでしまっている。

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