ソフトバンクのバレンティン(C)朝日新聞社
ソフトバンクのバレンティン(C)朝日新聞社

 今年は新型コロナウイルス感染防止による入国制限で新外国人の来日が例年より遅れた。隔離期間とファームでの実戦経験を経て、今月下旬から続々と1軍に昇格している中、ファーム暮らしが続いているのがソフトバンク・バレンティンだ。

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ヤクルトから移籍した1年目の昨季は60試合出場で打率.168、9本塁打と大不振でした。36歳の年齢からくる衰えを指摘する声もありますが、精神的な部分も大きいと思います。豪快に見えますが、繊細な性格で周囲にどう評価されているか気にするタイプです。昨年は結果を出そうと焦り、ボール球を振る悪癖が出てチャンスの場面でも完全に力んでいました。セリーグの投手と違ってパリーグの投手はバレンティンに恐怖心がないので執拗に内角を速い球で突いてきます。明らかにイラついて本来の打撃を見失っていました」(スポーツ紙遊軍記者)

 13年にNPB歴代最多の60本塁打を放ち、来日1年目から3年連続本塁打王に輝くなど、ヤクルト在籍9年間で288本塁打。故障で15試合の出場に終わった15年のぞき、8度のシーズン30本塁打と安定した成績を残していた。19年オフに2年総額年俸10億円とみられる好待遇でソフトバンクに移籍。「ソフトバンクがチャンスを与えてくれたことに感謝している。1つの夢としてこの強いチームでやりたかった」と入団会見で目を輝かせ、ソフトバンクのユニフォームに袖を通すと満面の笑みを浮かべていた。

 だが、チームは4年連続一に輝いた中で失意のシーズンとなった。2年目の今季も1軍出場はなく、ファームで打率.217、4本塁打(28日現在)。セリーグのスコアラーはどう評価しているのだろうか。

「打率は低いけど今年のバレンティンはいいですよ。体にキレが出て本来のスイングを取り戻している。パリーグはパワーピッチャーが多いので速い直球をきっちり仕留められるかがポイントになります。そこに対応できないと苦しい。バレンティンは変化球を打つのがうまい選手で、その特徴が変化球主体のセリーグで活躍できた要因でもあった。ソフトバンクも戦力として当然考えているでしょうけど、日本人枠だしセリーグなら欲しい球団はたくさんあると思います」

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