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3回目の緊急事態宣言から5月2日で1週間が経過した。しかし、大阪府では1日、新たに1262人の新型コロナウイルス感染が確認され、過去最多を更新した。1日の感染者数が1000人を超えるのは、5日連続で府内での感染死亡者は41人。緊急事態宣言下でも「感染爆発」が止まらない状態が続いている。
「現在、大阪を含む関西圏で10万人あたりの新規感染者は、首都圏の3倍超という異次元の状況です。関西圏ではわが国が経験したことのない最悪の状態に突入しています」(厚生労働省関係者)
緊急事態宣言が発出された4月23日の大阪の新規感染者数は1162人だった。これを東京の人口で換算すれば、約2000人の水準となる。変異株ウイルスの市中感染が拡大してからの判断が「遅きに失した」(同前)という。
「大阪府内では感染してもすぐには入院や宿泊療養先が見つからず、やむなく自宅で療養・待機する患者が激増しています。自宅待機している患者数は14000人超で、東京の1000人前後をはるかに超えています。自宅療養中に容体が急変して亡くなった方が既に大阪府内で12人に上っています。重症病床使用率は98.3%と公表しているが、実質的には重症病床に入りきれない重症患者が多数おり、その影響で他の病気での入院拒否や手術の延期などが発生。『命の選別』が現実のものとなっています」(大阪府関係者)
大阪府庁の医療系技術職トップが府内の保健所長18人に4月19日付で以下の内容のメールを送っていたことが発覚し、大騒ぎになった。
『病院には多大な負担がかかっており、数字上空床があっても新規患者を受けられないという事態が多発しております。以前にも増して入院調整が難しくなっており、先生方には大変なご迷惑をおかけしております。当面の方針として、少ない病床を有効に利用するためにも年齢が高い方につきましては入院の優先順位を下げざるを得ないことをご了承いただければ幸いです』
『高齢者施設に入所の方でDNAR(蘇生措置拒否)の方につきましては、看取りも含めて対応を御検討いただきたいです』