東京都の男性勤務医(精神科・55歳)は、「スタッフにやる気があり、かつ『細かいこと』をおろそかにしない病院」と回答した。手術とは一見関係のなさそうな、患者の様子にまで目を配り、異常な所見を見逃さないようにすることが大切だという。
「手術は成功しても、元気が出ずに入院が長引くうちにからだの機能が低下し、退院が不可能になるということもある。そういう事態を回避するためにも、医師や看護師が細かい注意を払い、異常がみられれば他科と連携して迅速に解決を目指すことが求められます」
また根本医師と同様、医師が病気だけをみるのではなく、「その人自身とその人生をみること、患者とその家族がどうすれば治療に納得・満足できるかを考えることが大事」と指摘した。
「手術数が多いことはもちろん重要だが、ほかの治療もそれなりに選択されていることが大事」と指摘するのは熊本県の男性勤務医(泌尿器科・49歳)だ。
たとえばがんの治療一つとっても、各病院で得意な治療法は異なる。症例数が多いことはいい病院の条件になるものの、「どれか一つの実績だけが多い場合、患者に対し、その治療法に誘導しがちになる可能性や、ほかの治療法にあまり詳しくない可能性が考えられます。その結果、治療法が偏り『患者主導による治療法の決定』という現代医療の流れとは離れてしまう可能性もあります」と警鐘を鳴らす。
ほかにも、病院の体制に関することとして「スタッフが働きやすい」「診療がスムーズ」「職種問わず仲がいい」「待ち時間が少ない」「指導態勢が整っている」や、「患者利益を最優先する」「患者の立場になって治療を提供する」といった、「患者ファースト」の考え方を大切にする意見も多くみられた。また、特に開業医からは「地域との連携を大切にする病院」についての声が多く、「フットワークが軽く、地域ニーズにこたえる」「紹介しやすい」「紹介患者さんをスムーズに受け入れてくれる」などが挙がった。