西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、コロナ禍での新外国人の故障や、開催予定のオリンピックについて語る。
【写真】五輪正式競技の最高成績は1996年アトランタの銀メダル
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巨人の新外国人であるテームズが4月27日のヤクルト戦でようやくデビューを果たしながら、最悪のアクシデントに見舞われてしまった。「6番・左翼」で来日初出場を果たしたが、三回の守備で打球を処理しようとした際に負傷した。
結果は右アキレス腱(けん)の断裂。一般的に全治までに半年以上かかるといわれている。今季中の復帰は絶望的となった。
同じ新外国人では、楽天のカスティーヨが4月23日の西武戦の来日初打席で左腹斜筋を損傷して登録を抹消された。DeNAのソト、オースティンは新外国人ではないが、入国が遅れ、合流後もまだ力を発揮できていない。
このコラムでも何度も指摘してきたが、今季は新型コロナウイルスの感染防止に関する入国停止措置などで、主に新外国人の来日が遅れた。選手からすれば、早く合流したい、チームとしてはぶっつけ本番に近い形でも早く起用したいと思うだろう。ただ、試合の中では100%、120%でプレーすることだってある。準備不足は故障のリスクを高める。
新外国人が加わって、新しいスタートという中で、テームズの離脱は原監督としても痛いだろう。今季は阪神が、投打を含めて非常にいいバランスで戦えている。このまま勝ち星を積み重ねていくと、いかに巨人といえども、捕まえきれない可能性だってある。
東京五輪について、実際に開催すべきかどうかの議論が活発になされている。確かに、日本国内の医療態勢が逼迫(ひっぱく)している状況で、海外のアスリートや要人を招くこと、そして大会開催には多くの医療関係者の援助が必要になることを考えると、難しい判断になる。「日本国民の今」を考えるなら、開催はできないのかなとも感じる。開催するのであれば、リスクを冒しても開催する意味をどこまで日本国民や、世界に発信できるかだ。