放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、星野源さんと新垣結衣さんの結婚について。世間から驚きの声が上がる一方で、鈴木さんは、役者さんが作品を作り上げる過程を知っているからこそ、「安心した」そうです。
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なんか不安なニュースが多い中で、とても明るくめでたいニュース。星野源さんと新垣結衣さんの結婚。ドラマ「逃げ恥」の共演がきっかけでの結婚。
昔、「男女7人夏物語」「男女7人秋物語」で共演した明石家さんまさんと大竹しのぶさんが結婚するというニュースを聞いた時は、まだ10代の高校生だった僕はとてもうれしかった記憶がある。「男女7人シリーズ」が大好きで、さんまさんと大竹しのぶさんのドラマの中での掛け合いがとてつもなくおもしろかった。当時、ドラマのNGなどを紹介する番組があり、さんまさんと大竹さんの二人のシーンで、二人がまだ撮影本番に入ってないのに、ドラマのような掛け合いで話していて、そしてそのまま台本のセリフに入っていくというシーンを見せていたことがあった。神業のようなそのシーンに驚いたし、感動した。
そして結婚すると聞いた時、納得した。心が通じ合ってないと、あんなお芝居ができるわけないと素人ながらに思っていたからだ。
僕はたまに脚本も書かせてもらったりするが、あらためて役者さんというのはすごい仕事である。お互いのことを見て、日常の生活では言わないことをたくさん言うのだ。見ている人が言えないからこそ、言われないからこそ、キュンとしたりするわけで。
恋愛ドラマを見ていて、主人公の男女の芝居が「かなりノッテるな」と思ったりして、そのあと、週刊誌で付き合ってる的なニュースが出ると、僕は逆にホっとする。正直ね、恋愛ドラマ見ていて、僕は「絶対、この二人、お互いを本気で好きになってないな」と思ってしまうこともよくあるし、そういうドラマに限ってヒットしないことが多い。
ヒットとする恋愛ドラマって、恋する二人の掛け合いが台本を超えて、ドラマを超えてリアリティーを感じるんですよね。簡単に言うと「これ、お互い本気で好きだろ」と思う。
それってね、悪いことじゃないんですよ。役者が役に入り切ったドラマこそおもしろいだろうし。