片づけは通過点で、ゴールは家庭の再構築。

 部屋が散らかっているとみんなイライラして、人間関係がギクシャクしがちですよね。なぜかイザコザが増えます。子どもに「片づけなさい」と当たって自己嫌悪に陥ったり、子どもを介するかLINEを通じてしか夫婦で会話できなくなったり、なんて言う人もいます。

 そこで、これまで失敗してきた人も、『7つの習慣』を取り入れた課題を通してコミュニケーションのトライ&エラーを試してもらうのです。

 最初に、「まずは自分から片づけをやる」を徹底。第1、第2、そして第3の習慣「最優先事項を優先する」を踏まえた基本姿勢です。

 そして第4の習慣「Win-Winを考える」=相手にも自分と同じようにゴールがあると知ること。第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」。第6の習慣「シナジーを創り出す」をもとに、偏った見方をフラットにして自分にも相手にとっても心地の良い部屋のあり方を考えます。

 例えば、家族の動線を観察する課題は、家族がどう暮らしたいかを知ろうとしないと進みません。まず理解に徹する。それがきっかけで、会話が生まれます。

 夫婦関係がギクシャクしてしまうと、「どう暮らしたい?」なんて聞きづらいものです。でも、「またどうせ途中で投げ出すよ」なんて言っていたご主人も、片づけの苦手な妻がキッチンをピカピカにしているのを見れば、大抵は協力してくれます。

 すると、「夫がこんなふうに考えているなんて知らなかった」「実は子どもにとっては使いにくい収納だった」といった意外な思いや、独りよがりな自分の考えに気づくことができます。

 そして、みんなが暮らしやすい家が作られると、子どもがママを真似て掃除や料理をするようになったり、夫が自分のものを定位置に戻すようになったり、家族のシナジー効果によって「ママだけが頑張らない」家庭へと近づいていくのです。

 ママが一人で負担を背負う時代は終わりました。ママが家族というチームをまとめるリーダーとなって、健全なコミュニケーションを促し、子どもたちが未来を楽しみと思える家庭を作れたら、きっとハッピーな日本になる。そう信じて、私はこのプロジェクトを続けています。

◯西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・夫婦間のコミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト®」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。ラジオ大阪「西崎彩智の家庭力アッププロジェクト」(第1・3土曜日夕方)が2021年5月1日からスタート。フジテレビ「ノンストップ」などのメディアにも出演

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