内村光良(撮影/写真部・掛祥葉子)
内村光良(撮影/写真部・掛祥葉子)
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 理想の上司ランキング、男性部門で5年連続第1位のウッチャンこと内村光良の“上司力”の源泉にあるのは仕事の現場で「誰よりも汗をかく」というファクト。本連載は博報堂ケトルのクリエイティブディレクター・畑中翔太がリーダーとしての内村を、関係者への取材をもとに解剖した書籍『チームが自ずと動き出す 内村光良リーダー論』(朝日新聞出版 6月11日発売)から一部お届けする。

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第2回目のテーマは「モチベーションの上がる職場」。

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「内村さんが誰よりもストイックにコントに取り組んでいるので、その姿を見て『怠けようかな』と考える人は一人もいない。自分も内村さんと同じくらい努力しないと、プロとしてやっていけない、という気持ちになりますよね」

 そう語るのは、現在、NHKで放送中のコント番組『LIFE!』で内村とともに濃密なコントを作り上げている、後輩芸人でもある塚地武雅氏だ。

 また、『東京オリンピック生まれの男』『東京2/3』など内村が脚本・主演を務めた舞台で演出を担当したケイマックスの飯山直樹氏もこう続ける。

「舞台においても内村さんは、いち早く台本を覚えて、演技のイメージをしていて、いつも一番先を走っているというか、ご自身のテンポで進んでいくんですよね。他の共演者さんがいてもとくにペースを合わせないので、周りがいつの間にか内村さんのテンポについていく。

 内村さんは、悪い意味ではなく、とてもマイペース。誰かに歩幅を合わせることはないんだけど、周りはいつも内村さんの様子を見ている。結果的にみんなが内村さんに歩幅を合わせてどんどん進んでいく感じがあるんですね」

 これは、共演者やスタッフに配慮なく、自分勝手に稽古を進めてしまうということではない。迷い悩んでいる仲間を見逃さず、さりげなく声を掛けフォローする内村も、間違いなく稽古場にいる。
 
 けれど、舞台の仕事は、団体戦である全体の稽古や進捗(しんちょく)とは別のところで、出演者それぞれが自身の課題を向き合い、パフォーマンスを向上させるという個人戦の側面も持つ。そういった個人戦において、周囲を気にすることなく、内村が一番先を走っていくことで、いつの間にか内村のペースが現場全体の「パフォーマンスの基準」になっていくのだと、飯山氏は言葉を重ねる。
 

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「知らないうちに走らされてしまう」(木村多江)