周りから変な目で見られることは、「他の人よりも目立っているってことだからラッキー」くらいに考えていたし、ボクが大好きな女性アーティストの歌だって歌えるし、羨ましいだろ?くらいにも思っていたからね。
これは、強がりでも何でもなく、素直にそう思ってた。
声が高い自分を「プラス」に考えていたんだよね。
だから、ボクは、からかってくる人のことなんか気にせず、逆に「目立つ」ことを、どんどんやっていった。
学級委員長や生徒会長もやったし、夏の間だけ合唱部で歌ったりもしていた。さらに、給食の時間には、みんなの前で歌を披露することもあった。これがけっこうクラスメートや先生に好評で、最終的には、みんなから曲をリクエストされるまでになった。
目立つ行動をするボクを、さらにからかってくる人がいなかったわけじゃないけど、ボクは絶対にそれをやめなかった。
だって、ボクは全然悪いことはしていないし、声が高いことだって、からかわれるようなことじゃない。
「こんなにみんな喜んでくれているのに、なんでやめなきゃいけないだ」くらいに本気で思っていた。
自分では「弱点」って感じていないことでも、周りから見たら、そんな風に見えることがあったりするのは、何か悔しい。
だから、ボクは「弱点」を「弱点」のままに絶対したくなかったんだよね。
そんな日々を過ごしているうちに、自然とボクをからかう人は減っていった。
もちろん、ゼロになったわけじゃないけど、頻度は少なくなったのを覚えている。単純に、ボクのことを、面白いって認識してくれる人が増えたからだと思う。
「出る杭は打たれる」なんて言葉があるけど、逆に、杭って出まくったら、打たれないんだなってことを学んだよ。
●自分を否定するのだけはやめて
この連載を読んでくれる人の中にも、「弱点」のようなことに苦しんでいたりする人がいるかもしれないけど、お願いだから、自分を追い詰めるようなことはやめてほしいな。
他人から見ての「弱点」が、この先もずっと「弱点」のままっていうわけでは絶対にないからね。