気持ちを抑え、子どもに歩み寄ってはじめて、意識のズレに気がづいた。それを知って、希望も見えた。この日の心得は、「動線を制する者はリバウンドを制する」でまとめられました。

 夫婦のコミュニケーションにも動きがありました。

 「亭主の定位置を第一に。」の投稿では、ご主人の生活動線を観察していた日に気づいたことがつづられました。

生活動線観察記録表を書いてみて
主人の定位置の無さを知った
主人の定位置ほぼゼロ

私は今まで
そんなこと考えたこともなかった
反省した

 収納を作るため夫の生活動線を観察していたら、夫の居場所がないことに気づいた。動線に沿ってバラバラな夫の物の場所を決めると、こんなやりとりがあったと投稿で報告されています。

主人が
『考えてくれてありがとう』
と言った
話し合うって大切ですね。

子どもたちが
自主的に掃除を
してくれました
ありがたや

 自分から相手を理解したことで、夫婦関係がほぐれていきました。相乗効果で家族の間に「ありがとう」が増えていきました。

 仕事にもいい影響がありました。プロジェクトと大事なプレゼンの時期が重なり、仕事を受けるか迷いつつも、どちらも手を抜かず、逃げずにやり遂げた日。仕事の効率と家庭の居心地の良さが比例することを体感した、と気づきが書かれました。

 そして45日間で片づけきった侑佳さん。

 最終日の投稿には、「家が汚くてイライラしていた自分と決別することができ、自信を取り戻した」「『もう絶対戻りたくない』と言う気持ちとプライドでいっぱい」、そんな素直な気持ちが訥々と書かれました。

 もう、出てきた物へのツッコミや焦りの要素はまったくみられません。とても堂々として力強い言葉でした。

 最後のハッシュタグは、「#お片づけの心得」ではなく、「#一番の改善は夫婦関係かも」。

 実はこれまでコーチング、カウンセリング、心理学、いろいろ夫婦関係改善の努力をしてきたけど、片づけが一番の効果があったと最後にそっと教えてくれたのでした。

◯西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・夫婦間のコミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト®」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。ラジオ大阪「西崎彩智の家庭力アッププロジェクト」(第1・3土曜日夕方)が2021年5月1日からスタート。フジテレビ「ノンストップ」などのメディアにも出演

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