5月23日(現地時間:以下同)から、右内転筋の張りで10日間の負傷者リストに入ったミネソタ・ツインズの前田健太は、開幕から約2カ月がたっても調子が上がらない状態が続いている。ここまで9試合に登板した前田は、2勝2敗、防御率は5.27と、先発1番手であることや昨季の成績(6勝1敗、防御率2.70)に比べると、調子が良いとは言い難い成績であった。
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ツインズ専門のウェブメディア『TwinsDaily.com』のコディ・クリティー記者も「昨季のような活躍を期待していただけに、いまの成績は決して褒められるものではない」と厳しい評価を下している。復調を目指していただけに、この離脱はチームのみならず前田自身にとっても大きな痛手になるだろう。
調子が上がらないといえば、前田が所属するツインズも同じだ。開幕前は優勝候補の一つに挙げられていた同チームだが、現在は所属するア・リーグ中地区の4位に位置し、首位と大きく差をつけられてしまっている。チーム打率こそ.239とア・リーグでは6位につけているものの、チーム防御率は4.57でリーグ13位に低迷している。特にリリーフ陣が今ひとつの状態で、前田が最後に登板した22日のインディアンス戦では、前田自身は5回3安打3失点6奪三振の好投をみせるも、後続のリリーフ陣が粘れず、チームは延長十回に逆転負けを喫してしまっている。だが「投手陣が崩壊しているから低迷している」と言い切れないのがツインズの不思議なところだ。連敗が続いているというわけでもなく、失点を抑えて勝つことや2桁大量得点で勝つこともあり、ツインズの地元紙『スター・トリビューン』のメーガン・ライアン記者も「何が悪いのさっぱりわからない状態です」と首をかしげる。
チームの調子以上に前田の低迷は深刻なようだ。メーガン記者が「いまのところ信じられないほどピッチングが荒れている」と指摘するように、今季の投球は冴えていなかった。前田の低迷については現地でもいくつかの理由が挙げられている。ひとつは寒い気候の影響だ。ア・リーグ中地区は、ツインズの本拠地であるミネソタをはじめ、シカゴやデトロイトなど5月でも寒い地域にその本拠地を構えるチームが多い。このことについては、4月の時点で既に現地メディアでも取り上げられていたが、前田自身も11日に敵地シカゴで行われたホワイトソックス戦後の会見で「寒さの影響で変化球が曲がらなかった」と明かしている。もっとも、今後は夏に向かって気温も暖かくなるため解決されていくだろう。