(2)経済的理由で進学断念。
1950年代、家族を養うため、東京大をあきらめた。
(3)入学手続き前に病気、不慮の死など。
レアケースだが、1960年代まで見られた。
(4)親の反対で進学断念。
地方の天才または秀才女子高校生が合格。しかし、親は一人で東京で生活させることに大反対して、地元の国立大学に進んだ。これも1960年代までのレアケース。
(5)医学部へ進学。
現在の入学辞退でもっとも多い理由であり、このルーツは1970年代前後にさかのぼる。東京大入学辞退者の推移は1971年19人、72年22人、73年31人、74年35人、75年46人、76年49人。1969年の東大闘争で権威が落ちた、あるいは学生運動に巻き込まれたくないという見方もあった。なお、予備校の調査によれば、76年の辞退者が進学した医学部は、慶應義塾大19人、東京医科歯科大10人、信州大3人、群馬大3人など。これらのうち国立大学は、当時、東京大と入試日が異なっていた。
1979年の共通一次試験の実施、つまり、国公立大学入試の一本化によって、東京大入学辞退者は減る。