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 野党の会期延長要求に応じず、150日間で国会を強引に幕引きした菅政権。これから政局の焦点は7月4日投開票の東京都議選、東京五輪・パラリンピック開幕、秋にも行われる自民党総裁選と衆院解散・総選挙に移る。

 菅義偉首相は政権の浮沈が懸かるワクチン接種について10~11月完了を目指し、作業を急いでいるが、立憲民主党(以下は立憲)の安住淳国会対策委員長は「今になって菅政権は慌ててやっているが、半年前に出来たのではないか」と皮肉った。

 立憲が指摘するとおり、菅政権は当初、海外からのワクチン確保で後手後手に回ったのは紛れもない事実だ。世界的なワクチン争奪戦に敗北し、ファイザー社との契約も期限の縛りのない杜撰なものであったことなどが発覚。五輪開催国でありながら、供給スケジュールは先進国の中では最も後ろ倒しになった。

 戦犯の一人は紛れもなく菅首相自身だ。だが、あまり語られてなかったが、もう一人の戦犯がいる。

「政府は当初、ワクチンがコロナ対策のゲームチェンジャーとなることを見越し、日本でも早期に接種開始できるよう、海外の臨床試験データに基づいて迅速に承認する『特例承認制度』の活用を検討していた。しかし、立憲と共産党が強く反発。ワクチンではなく、むしろPCR検査体制の拡充をと主張した。立憲や共産党はワクチンの効果には人種差があるという理由で国内での治験にこだわり、欧米各国で行われていたワクチンの緊急使用に猛反対した。予防接種法の法改正でも、こうした立憲・共産党の意向を踏まえ、ワクチン審査を慎重にすべきという付帯決議が付けられたほどです」(政府関係者)

 さらには立憲と共産党は現実的には実施が難しい「検証的臨床試験」の実施も求めていたという。

「臨床試験の実施期間は開発の分野によってさまざまですが、平均で3~7年ほどの歳月がかかることもあります。コロナ禍を踏まえれば、机上の空論的な主張です。仮に主張どおりに治験を実施した場合、今なおコロナワクチンは日本では承認されていないことになります」(厚生労働省関係者)

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五輪開催中に感染拡大すれば、退陣