ところで、この異次元の少子化対策という表現は、アホダノミクス男さんの年頭記者会見で使われたものだ。国会冒頭の施政方針演説では、これが「次元の異なる少子化対策」に言い換えられていた。野党に違いを聞かれて、首相は「違いは無い」と答えた。それなら、なぜ言い換えたのか。彼も、筆者と同じ解説を発見して怖くなったのか。言葉は注意深く使った方がいい。
浜矩子(はま・のりこ)/1952年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業。前職は三菱総合研究所主席研究員。1990年から98年まで同社初代英国駐在員事務所長としてロンドン勤務。現在は同志社大学大学院教授で、経済動向に関するコメンテイターとして内外メディアに執筆や出演
※AERA 2023年2月6日号