そして、動画の最後に、「ひとつだけ言わせてください。自分で情報を仕入れて、自分の人生は自分で決めてください。そして、周りの人が悲しむので死なないでください。今日が人生で一番若い日です。国のよくわからないお願いを聞き続けて数年後、後悔しても自己責任ですよ」と視聴者に訴えかけた。

 この動画は再生数が80万回を超え、高評価1.8万に対し、低評価2.9万という数字が出ている。

 この動画を視聴した都内に勤務する医療関係者は「政府の施策が全て正しいとは思いません。ただ彼の主張は危険だなと感じました。重症者数で病院がひっ迫するのは一瞬です。だから政府も自治体も自粛を呼び掛けている。『若者はどんどん稼いで、どんどんお金を使うべき』と話していましたが、街中に出てコロナに感染したら治療するのは医療従事者です。若者から同居する高齢者に感染するリスクも高くなる。自分が感染したら他の人に移してしまうという視点が欠落しているように感じます。もう少し勉強してほしいですね」と苦言を呈する。

 また、YouTuber事務所の関係者は「支持しているファンは『フジは頭の回転が速い』と称賛していますが、謝罪は1分間、その後のコロナに対する自分の考えが9分間だったのが批判の多い理由だと思います。『死なないでください』と呼びかけているが、自ら感染のリスクの高い行動を選択しているので言葉に説得力がないように映るのでしょう。コロナについて自身の考えを主張したかったのでしょうが、謝罪だけにしたほうが炎上を抑えられたかもしれません」と指摘する。

「えびすじゃっぷ」は7月の動画収益について過去動画も含め、医療面の補填になるような財団に寄付することを発表。フジは「僕たちのことを嫌いになった人も募金のつもりで身に来てください。1カ月後にはこのチャンネルを知れてよかったと言わせて見せます」と宣言した。果たして有言実行なるか――。(牧忠則)

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