ただ、スポーツ紙の遊軍記者は「小林が背水の陣であることは変わらない」と強調する。

「原監督の構想では大城の正捕手は揺らぎません。小林は勝ち試合で逃げ切りを図る際の『抑え捕手』という位置づけですが、大城が成長して一本立ちすれば最後までマスクをかぶる試合も増えるでしょう。若手成長株の岸田行倫もいる。捕手の人数が5人と少ないので、トレードの可能性は限りなく低いですが、原政権で正捕手を奪い返すのは至難の業だと思います」

 小林は16年から4年連続盗塁阻止率リーグトップをマークするなど強肩を武器に正捕手として活躍してきたが、原監督就任した19年以降は年々、出場機会を減らしている。昨年は度重なる故障でプロ入り以来自己最少の10試合出場にとどまり、打率.056、0本塁打、0打点。今季も18試合出場で打率.231、0本塁打1打点。一方、大城は68試合出場で打率.248、8本塁打、24打点と大きく差をつけられている。公私で親交が深かった炭谷の移籍は小林にとって、出場機会を増やすチャンスだ。大城との序列をひっくり返せるか――。(牧忠則)