「二刀流(大谷)のためにオールスター戦のルールを変更すべき」という意見は、既に米メディアからも出ている。ファンによる2次投票が始まって間もない6月29日には、『CBSスポーツ』が、「大谷翔平はオールスター戦で投打両方をすべきだ、MLBがそれを実現させられるためにルールを曲げる必要があったとしても」という見出しで執筆した記者が持論を展開した。
記事では、「現行のルールでは、大谷が投手と打者を同時に行う場合、投手と打者のどちらが先か関係なく、レギュラー戦同様に指名打者を解除しなければならない」と述べ、「MLBはオールスターではこのルールを廃止する必要がある」と主張する。そして、「大谷が降板したその後も、ア・リーグは指名打者を使えるようにすべきだ」と提案した。もしこの記事のようにMLBが新たに大谷用の特別ルールを設けてくれれば、ア・リーグは場面を気にすることなく、いつでも大谷を登板させることができる画期的なものだ。
しかし、オールスターまで残りわずかとなった7月6日の時点で、MLB機構からオールスターについてのルールを変更する声明は出されておらず、残念ながらこの記事にある提案が今年実現することはないだろう。
オールスター戦での投打同時出場という過去に例のない出来事に、ア・リーグの指揮官のみならず、MLBさらにはメディアやファンでも予測不能な状態に陥っている。このように全米中から多くの期待が寄せられるオールスター戦は、いよいよ7月13日(日本時間14日)に開催される。その時、大谷はどのような形で出場しどのような活躍を見せてくれるのだろうか。その結果は試合当日の楽しみにしたい。(澤良憲/YOSHINORI SAWA)