大学卒業後は就職することを考えていたが、大学院に進学して学びたいという気持ちも出てきた……。文系学部でもこうした学生は少なからずいる。アエラムック『大学院・通信制大学2022』では、迷った場合の解決策、両立の可能性について専門家に聞いた。
【27大学別】10年間で就職者数が「増えた」「減った」企業はここだ!
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キャリアコンサルタントで椙山女学園大学非常勤講師の稲葉直子さんによれば、文系学部の学生が大学院進学を考えるきっかけは、インターンシップやボランティアなど、社会参加をした経験によるものが増えている。
「企業でのインターンシップで研究職の方と話し、専門性の高い仕事に対する魅力を感じた、デイサービスで高齢者の話し相手をしたときに泣いて喜んでいただき、『もっと入所者の役にたてるよう、深く学びたいと考えるようになった』などがあります。最近は社会人で大学院に入る方が増えていますが、そうした先輩たちから話を聞き、『大学院進学もキャリアの一つなんだ』と実感したという学生もいますね」
日本キャリア教育学会副会長で、愛知教育大学学校教育講座の高綱睦美准教授は、次のように話す。
「学年でいうと2年次以降に専門科目を学び、そのおもしろさを知ることがきっかけになるようです。最近は多くの大学で、入学後早い段階から授業で『キャリア』に関する科目を学びます。このときに卒業後の進路として、就職だけでなく、大学院という選択肢があると知ることも、大きいと思います」
就職か大学院進学かで迷った場合、本格的な就職活動が始まる4年次までにどちらかを決めるのが望ましい。
「3年次の春からは多くの大学で『企業研究』など、就職活動に向けたプログラムがスタートします。まだ進路が決まっていない学生は企業のインターンシップに参加しながら、大学院の説明会にも行くなど、さまざまな情報を収集し、自分の進路を見極めていくのがいいでしょう」(稲葉さん)
進路が決まらないまま4年次を迎えた場合、就活と大学院入試を並行することは可能なのだろうか。