ちなみに、そこは2018年に大谷がバッティング練習時に飛ばし大きな話題を呼んだ場所で、本戦でも大谷の打球はそこまで届いている。

 ホームランダービー自体は初戦敗退となったが、そもそも日本人選手、さらに投手として史上初の出場となり、初戦からタイブレークとサドンデスを行い、最終的に28本という記録を残した。全ての野球ファンを驚かせる大谷の驚異的なパワーを全米に見せつけるには、十分すぎる結果ではないだろうか。

 そして、7月13日にはいよいよオールスター本戦が行われる。起用法が注目されていた中、12日に行われた両リーグの監督会見で、大谷は先発として登板し、打順は「1番・指名打者」になることが発表された。

 MLBは大谷が「二刀流」で出場できるよう、指名打者制を解除しなくても済む特別ルールを新たに作った。「オールスターゲームのルールを変えてでも大谷の二刀流が見たい」という、世界中のファンの希望を叶えたMLBの粋な計らいに現地は大盛り上がりを見せている。ファンの期待が最高潮を迎える中、大谷はどのような活躍を見せてくれるのか。歴史的なこの試合は必見だ。(在米ジャーナリスト・澤良憲/YOSHINORI SAWA)