2022年6月期は売上高が18%増、純利益19%増と2ケタの増収増益を達成。業績拡大の主役はクラウドサービスの「アジュール」だ。売上高は40%も伸び、アマゾン・ドット・コム(以下、アマゾン)のクラウドを猛追している。
マイクロソフトといえばパソコンソフトウェアのウィンドウズやワード、エクセルなどオフィス用ツールのイメージが強い。
「ウィンドウズは原則売り切りですが、クラウドは契約したら継続的に課金収入が入り、収益が積み上がっていきます。また、わずか数社で市場を押さえているという寡占性も重要なポイントです」
クラウド事業はアマゾン、マイクロソフト、アルファベット(グーグル)の3社による世界シェアが推計6割超。IBMやオラクルなどの大企業でさえ苦戦している。
高い利益の見込めるビジネスでは新規参入が乱立し、過当競争に陥るケースも多い。
「GAFAMは、脅威となりそうな企業が出れば買収し、消してしまいます(笑)。たいていの企業を買収できるお金がありますから」
ただし株価となると微妙だ。活発な自社株買いで支えられている面があり、「今買うのはまだ高いかな」というのがもみあげさんの本音。200ドル程度を待ちたい。
アップルの先行きが
読みづらい
アップルの時価総額は2.5兆ドルと世界最大、日本円にして350兆円超。約1800社が上場する東証プライム市場の全銘柄の合計の半分ほどにあたり、トヨタ自動車の約11倍の大きさである。
アップルの強みは画期的な新商品による成長性と株主への積極的な利益還元。もみあげさんはGAFAMの中でおすすめ1位はマイクロソフトとしたが、2位をアップルにするかアルファベットにするか迷った末、アップルに決めた。
「アップルの業績はiPhoneに支えられています。ところが、アップル製品の人気が高い中国の景気の先行きが読めません」
パソコン大手、デル・テクノロジーズの経営陣が2022年8月時点で「厳しい環境にある」と発言するなどパソコン関連の売り上げダウンも警戒されている。
アップルはこれまで、先進的な商品を次々と世に送り出し、固定ファンをつかんできた。一方で、iPhoneもマックブック(パソコン)も新製品と従来品の間で機能的な差が小さくなってきた。
「購入頻度が減るのではないか、商品開発が滞ったらどうするのかと投資家に心配されますが、アップルはいつもクリアしてくる。だから業績を読みにくいんです」