シニア世代が働く機会は、今後間違いなく増える。4月には「70歳就業法」が施行され、元気なうちは長く働く環境整備が進む。だが、いつの時代も大事なのは自分に合った働き方。ITの進化で登場した便利なサービスも上手に使い、好きなときに必要な分だけ働く「ちょい職」を実践してみよう。
【好きなときに必要な分だけ働く!「ちょい職」がうまくいく5カ条はこちら】
ウェブサイトのデザインから、音楽や動画の作成、外国語の翻訳、就職・法律相談、エントリーシートやレポートの添削、占いまで──。
個人が持つ「スキル」を売り買いできる「ココナラ」のサービスには、売り手と買い手を合わせ約200万人が登録し、200種類以上、40万件のスキルが“取引”されている。
スキルと言っても大げさに考える必要はない。その人にしかできそうもない技術や知識もあるが、自分にだってできそうと思えるものも少なくないはずだ。
同社のサイトを見ると、「デザイン」「占い」「ビジネス代行・コンサル・士業」など、カテゴリー別にスキルを出品したり、探したりできる。たとえば「キャリア・就職・資格・学習」のカテゴリーには「経済学のレポート、課題、勉強お手伝いします」(4千円)、「エントリーシート・志望動機0からフルサポートします」(1500円)といったタイトルが並ぶ。
それぞれをクリックすると、納期や値段など詳しい内容から出品者のプロフィル、さらに販売実績や利用者の評価がわかる。「これなら自分にもできそう」と思ったら、しめたもの。ほかの出品者の紹介画面を参考に、実際に出品してみるとよい。やり方次第で、うまく買い手がつけば報酬がもらえる。
広報チームの柳澤芙美リーダーは「利用者は20~40代が6割を占めますが、シニアの利用も増えています」と言う。
「知識や経験が豊かなシニアほど役立つスキルは多いはず。ニッチなものでも構いません。同僚や家族からよく聞かれることや、かつての自分が困っていたことを思い返してみるとよいでしょう」
現役時代の人事経験を生かし、社会人や学生向けの相談に乗り、月に数万円を稼ぐ60代男性もいる。相談はビデオチャットを通じて60分、社会人向けが6千円、大学生向けが3千円の設定だ。企業の担当者に新卒採用の集め方を教えたり、学生向けに面接への臨み方を伝授したりする。